紙の建築家 坂茂さんが日本人初のマザー・テレサ社会正義賞を受賞

紙管建築の生みの親である、慶応大学教授で建築家の坂茂(ばんしげる)さんが、日本人として初めてマザー・テレサ社会正義賞を受賞しました。

坂先生といえば、1995年の阪神大震災以降、被災された方のためにローコストの仮設住宅を造り続けてきました。

20年以上に渡る、こうした取り組みが評価され今回の栄誉ある受賞に至りました。

坂茂さんとは?

アメリカで建築を学んだ坂先生は、紙管やコンテナを利用した建築や災害支援活動で知られていますが、環境に負荷をかけない建築をモットーにされています。

2003年にはポンピドゥー・センター・メスのコンペを勝ち抜き、2010年に竣工しました。

2014年には建築界のアカデミー賞とも呼ばれることもある、プリツカー賞を受賞されています。

被災者への仮設住宅で有名ですが、東日本大震災では避難所でプライバシーを確保するために紙管と布を使って間仕切りを設置するなど細やかなサポートも手がけています。

その活動は日本にとどまらず、アジアやオセアニアでも被害に合った方のための復興住宅支援を精力的に行っています。

マザー・テレサ賞とは?

マザーテレサ賞は2005年から年に一度授与される、マザー・テレサという名の付けられた唯一の賞です。

主に平和や調和、社会正義を促進することを目指す個人や団体に、インドのハーモニー財団から贈られる賞です。

これまでにダライラマやマハティール・モハマド、イエズス会などの個人や団体に贈られています。

遠い日本の地での地道な復興活動が認められたということは、大変意義のあることだと思います。

紙の建築

坂茂氏の建築の特長といえば、紙管を建築の構造材として使っていることがあげられます。

そもそも建築基準法には紙管を構造材として使用するという想定がなく、紙の家を実現するにあたり構造家と一緒に実験を重ねてようやく許可を取った苦労がありました。

大空間を構成する構造材として紙管が認められた後、災害の被害に遭った方たちの仮設住宅に紙管を用い、迅速にリーズナブルに仮設住宅を建ててきました。

紙管は建築の素早さも去ることながら、解体の容易さも群を抜いており、再利用も可能なことから今後利用が進んでいくことが期待される古くて新しい素材としてスポットを当てた功績は大きいと思います。

環境建築への想い

展覧会やパビリオンなど、一時的に建物を造った後は、解体して建材を廃棄する必要があります。

ほとんど再利用されることもなく、産業廃棄物として処分されることがほとんどですが、紙管であれば解体が容易な上に、廃材が紙として処理できるメリットがあります。

解体時に必要な電力エネルギーを抑え、サスティナビリテイにも優れている紙の建築。

立派な建築も仮設住宅も同じ気持ちで造る坂先生、紙による環境配慮への想いがTEDで見ることができます。

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